真ん中にいる一人の男にライトが集中して当たる。
彼は辺りを見渡している。
「梅亜って、格好いいね……そうだよね、あんなキレイな声だもん。……陸?」
目の前に立っている男が梅亜なら、本当に今ライトを浴びてる奴が梅亜なら……。
「……要……」
「え……?」
コイツが梅亜なら、俺は……俺は彼を誇りに思う。
本当に、やってくれたな、要。
「初めまして。俺が神崎梅亜です」
アイツがこの舞台で話している。
「えーと……こんなにも沢山の人の前で歌うのは初めてで……だから、早く感じてみたいんだ、ライブってのを」



