「梅亜、"青空メロディ"歌うかな?陸くん、好きなんだよね?」
「うん……なんだろう、歌う気がするんだよね」
不思議とそう思った。
梅亜にとってもファンにとっても大切なこの日だからこそ、あの"青空メロディ"を歌うんじゃないか……って。
「もしかして、卒業と同じ日に発売された歌だから?あの曲自体感謝の歌だし」
そう言われて思い出す、卒業式の日。
要と一緒にCDショップへ行き、"青空メロディ"を買った。
要も愛海ちゃんも買わなかったけど、なんとなく二人は買わない気がした。
ライトの光がだんだん消えていき、会場は暗闇に包まれる。
「わぁ……始まるね」
そう言った彼女の手を、そっと握った。



