「……様。お嬢様。」


声がして、目を擦りながら起きると外は朝になっていた。


「もう朝っ!てか輝大丈夫なの!?」


「はい。もう熱は下がりました。」


「良かった~。」


ホッとして笑うといきなり腕を引かれ、気づくと私は輝の腕の中にいた。


「ありがとうございました。」

「どういたしまして。それより離してくれない?」


心臓がバクバクと高鳴り、私は輝の体を押した。


「照れていらっしゃるのですか?」


いつもの意地悪な笑い方をする輝に、ホッとする反面イラッともした。


「それくらい元気なら、大丈夫だね。今日はゆっくり休んでなさい!」


私はそれだけ言うと、部屋から出て行った。