「ただいま。」


「明日から夏休みでございますね。そう言えば明日は、結城様がいらっしゃいます。」


「えっ!!結城さんてスポーツジムの?」


「そうですよ。」


「でも私スポーツで疲れたら夏休みの宿題できないし。」


スポーツ嫌いな私にとって、スポーツと勉強だったら迷わず勉強を取るだろう。


「お嬢様。痩せるためには運動も大切でございます。それに宿題の方はご安心下さい。私がミッチリとミッチリと見て差し上げますから。」


意地悪く口の端だけ上げて、輝は私の方を見ていた。


「鬼!輝の鬼畜!」


「なんとでもお言になって下さい。そこまで言うなら宿題の他に課題を増やすまでですから。」


ニコッと爽やかに笑う輝を見て私は冷や汗をかいた。


「ごっごめん!私が悪かったから。」


「そうでございますか?家に着きましたね。ではお嬢様失礼いたします。」


輝は私を車から降ろすと、お辞儀をし私から離れて行った。