「子供だと思って、言わないんでしょ?兄貴殴ったの俺見てたんだけど。」


(兄貴、俺?)


いつもは可愛く笑っている翼の言葉遣いが違い俺は、耳を疑った。


「ああ。そっか、宏人さんには俺のこと教えてなかったからね。」


クスッと笑い、俺を見てきた。

「翼なのか?」


「なに言ってるの?俺は俺なんだけど。」


(あの兄にこの弟あり。か…)


小さく溜め息をつくと、翼は不機嫌な顔をした。