夜に近付いてきたので、起こさないように春川をお姫様抱っこして車に乗せた。


「王子様……魔法のキスで呪いを解けるはずだから……ムニャムニャ」


春川は寝言を言っている。


三つ編み


眼鏡


地味なタイプ


だけど愛らしい。


こいつは、俺のために部活に入って必死で演技しようとしてくれてる。


ありがとう春川。


俺は、そっと、おでこに口づけをして


助手席の春川を見守った。


まだ寝ている。


このままどこかに連れ去りそうだ。


いけないな。


禁断の恋愛感情を抱いてる……。


春川が好きだ。


でも俺は死ぬかもしれない。


だから付き合えない。


すまないな。


だが大事に思ってるよ。

出会ってくれて、ありがとうな。