「樹里の部屋はどう? おっ、いいのあるじゃん 」
お姉ちゃんは、入って来るなり人の部屋を物色しだした。
「お姉ちゃんの方はどうだった? 」
「ほとんど一緒。 机はないけどね。 早く布団敷かなきゃ♪ 」
お姉ちゃんは上機嫌で自分の部屋へ戻っていった。
古くさいカーテンを開けると、優しい光が差し込んできた。
窓を開けて空気を入れ換える。
景色を見てたら、何だかワクワクしてきちゃった。
「カーテンも変えなきゃねー! 」
そう叫んで階段を駆け降りた。
これからの生活に、小さな不安と大きな希望を抱いていた。



