闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~


「見てよ 」


ケイトの声に反応して、ルキアは即座に私から離れると、階段の前にある銅像の前へ立った。



「おわーっと! 」



その拍子に私はよろけた。


突然離すなよ。


彼らに続いて私も隣に肩を並べた。



「ここからエドマンドの匂いがする 」


「おそらくこの上だ 」



くんくんと鼻を動かすがこれと言った匂いなどしない。


ヴァンパイアって、相手の匂いまで分かっちゃうんだ。


ケイトが階段に足を踏み出した時だった。



「それは罠だー 」


突然風のように、誰かの声が宙を舞って聞こえた。


何、今の声。



「うわぁーっ! 」



突然ケイトが声を上げたと思ったら、一瞬にして姿が消えた。



「ケイト? 何が起こったの? 」



状況が把握出来ず、私は怖くなってルキアの腕にしがみついた。



「さっきの声はエドマンドだった。 罠にはまったんだ 」



罠とは何を意味するのか分からなかった。


ルキアは私の腰を抱くと、一歩後ろへ下がった。



「ここじゃない。 俺たちの行動は向こうにバレてる 」



そう呟くと、私を抱いて方向を変えると瞬時に走り出した。



まるで新幹線に乗っているかのように早かった。