闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~


辺りは一瞬にして気温が下がり、氷の国にでも来たような空気へと変わった。


今までとはまるで別世界のようだ。



「何これ、すごく寒い 」



歩く足元が霜のように白く光っている。


飾られている像にかかる蜘蛛の巣も、はっきり見えるくらいに白い。


体が随分と冷えて来た。



「ねぇ、ここ寒すぎない……? 」



両手腕を抱えて手のひらで擦りながら話すと、吐く息が白く残った。


それだけ気温が下がってるって証拠だ。



「人間にはかなり寒いみたいだね 」


「仕方ないさ。 ヴァンパイアの中でも、極めて冷血な奴らの住みかだからな 」



そう言いながら、ルキアはそっと腕を広げて私の肩を抱き寄せた。



うわ、恥ずかしいけどあったかい。



「ここなら、普段の俺の体温でも温かく感じるだろ? 」



私はコクリと頷くと、ルキアの腕の中で小さな幸せを感じていた。