闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~


「あっ」と思って顔を上げると、ケイトは不思議そうに私を見ていた。



「そんなにルキアと一緒にいたいの? もしかして好きなの? 」



唐突なケイトの質問に、私はぼっと頬を赤らめた。



「ヴァンパイアなのにどうして? 」



まるで、理解出来ないと言うように眉間にしわを寄せた。



「ケイトは、好きな子とかいないの? 」


「好きな子? 」


「うん、恋したことないの? その子に触れたいとか、一緒にいたいとか 」


「ないね 」



ケイトは顔色ひとつ変えなかった。


まるで感情も何もないみたいに。



「……じゃあ、ヴァンパイアは誰かを好きになること……ない? 」


「ないね 」



そんな真顔で即答されると、ちょっとショック。


ルキアも同じなのかな。



「吸血鬼ってものは、冷酷な生き物なんだよ。 学校で教わらなかった? 」



私は首を横に振ると、ケイトはクスッと笑った。



「人間だった頃は、そういう感情もあったのかな。 100年以上も昔の事だから、忘れちゃったよ 」



彼らは、そんなにもの長い年月を生きてきたんだ。


そして、これからもずっと生き続けていくんだ。