闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~


まだこっち(魔界)にいた。


布団を捲ると、冷たい床に足を下ろした。



「起きたら、現実の世界に帰ってると思ってた。 私はどうしたらいいの? 」



前髪をかき上げながら、モーガンの元へ足を運ぶ。



「ルキアの帰りを、ただじっと待ってればいいの? 」


「しばらくは、わしの傍におった方が良い 」


「……わかった 」



ルキアがどこへ行ったのか、どうして私を置き去りにしたのかは聞かなかった。


聞いても、答えてくれないと感じていたから。



「とりあえず危機は去ったんだよね? 」


「あぁ、心配せんでいい 」



そう笑うと、モーガンは奥の部屋へと消えて行った。


ため息をついて再びベッドへ戻ると、視界に人影が入ってきた。


ベッドの上に腰を下ろして、じっとこっちを見てる少年がいる。



「ケイト! どうしてここに? 」



相変わらずの愛らしい笑顔。


私はゆっくり近寄ると、彼の隣にそっと座った。



「ルキアに頼まれて。 きっと、樹里ちゃんの事が心配なんだね 」



少し呆れた表情にも見える笑みを浮かべ、眉を上げた。



「心配か……だったら、傍にいてくれればいいのに 」



思わず本音がポロリと溢れた。