闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~


優希の姿から、本来の姿であろうと思われる女の顔に戻った。


群がっていた狼たちは彼女から離れて大人しくなった。



「……死んだの? 」



私は思わず手のひらで口元を覆った。


胸の動きも見えないし、息をしてないみたい。



「封印されただけだ 」



狼の群れの中から、ダークが現れた。


封印……?



「呪文弾か…… 」



隣でルキアがポツリと呟いた。


私は聞き慣れない言葉に首を傾げる。



「あれは耳飾り型の銃弾だ。 強い衝撃で元の大きさに戻るように細工がされている。 ヴァンパイアを封じる呪文が刻んであったんだ。 死にはしないが、もう身動きは取れない 」



あのピアスに、そんな力が埋め込まれていたなんて知らなかった。



「終わった…… 」



ほっと胸を撫で下ろすと、一気に力が抜けて私はルキアに倒れかかった。


力強い腕に抱き寄せられて、彼の腕をぎゅっと掴んだ。



「少し休もう 」



私はルキアに連れられて、モーガンの家へ向かった。


あったかい紅茶と、シナモンの香りがするアップルパイをご馳走になった。


その後は穏やかに時間は過ぎ、安らぎに満ちていた。