ルキアが微笑むと、突然あたりの光は消えて、真っ暗な闇に包まれ、緊迫した空気に一変した。
屋敷の空がふと明るくなったと思ったら、瞬時に黒いマントが飛び掛かってきた。
叫び声をあげる間もなく、それは私の首を掴んでいた。
く、苦しくて息が出来ない。
「その物騒な手を下ろしてくれない? 」
そのラティラの首元には、ルキアの手のひらがかざされていた。
「下ろさないと、この子の骨が砕けちゃうわよ 」
長い真っ赤な爪を立てて、私の首を軽く押さえた。
「ゔっ…… 」
「その前に、俺がお前の息の根を止める 」
ルキアの手のひらに、あちこちから光が集まってきて、大きな光の玉となりそれは放たれた。
ラティラは素早く空を舞いその場を離れると、いつの間にか門の上へと移動していた。
離された首を触りながら、私は咳き込んだ。
「正々堂々と戦え 」
ルキアが光の渦を出す手を空へと上げた時だった。
「お前の敵は私じゃない 」



