闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~


「私の血は特別だって言ったよね。 分かんないけど、結界も解いた。 きっと、何か役に立つ事もあると思う 」



ルキアは「分かった」と言うように、私を抱き寄せて頭を撫でた。


この腕、すごく安心する。


体を離すと、ルキアの体が何かに反応するようにピクッと動いた。



「モーガン…… 」


「あぁ、ダークじゃな 」



そう呟くと2人は瞳を閉じて、何かを感じ取っているように見えた。


今〝ダーク〟って言ったけど、何かあったのかな。


モーガンが瞼を開けると、ルキアの目もゆっくり開いた。



「アサマイトが動き出したらしい。 こっちへ来るぞ 」


「お前たちは先に移動するんじゃ 」



私たちは手を繋ぎ合うと、ワープポイントである屋敷まで瞬間移動した。


なんか、急に怖くなってきた。


ルキアの手を強くギュッと握る。


離さないでね。



「大丈夫だよ 」