闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~


少し歩いて行くと、所々に花が咲いていた。


その先には森が見える。


向こう側に、昨日見たあの白いお屋敷があるはず。


私は一歩ずつ前へと進む。


段々と草木が大きくなってきて、森の手前まで来ていた。


振り返ると、後ろの方にお母さんが小さく見えた。


道にかがんで、どうやら花でも摘んでいるように見えた。


私も知らないうちに1人で歩いていたなんて、お母さんたちのことを言えないな。



すると、何やら森の方で枝を踏んだような物騒な音がした。


ビクンと肩を上げると、私は辺りを見渡しながら一歩後ろへ下がった。



「誰かいるの? 」