初めて見た時は


ホントに天使かと
おもった。


母親違いの妹が産まれた。
あの日の感動を、俺は、
今でも鮮明に覚えている。

…母親違い…こういうと
語弊があるな。

正確には、俺の両親は
離婚していて、俺と兄貴は
母親の元で暮らしていた。
その母は、俺たちが中高校生の頃
現在の父親と再婚したのだが…

取り敢えず、こんな母親を
受け止めてくれた今の父には
俺も兄貴も、感謝の気持ちしか
なかったというモノだ。

…あの母の暴走を一緒に
止めてくれたのだからな。

俺達の母親は、とにかく
破天荒な人で、ラテンの血が
濃い事も要因なのか、
パッションと本能に忠実に
…まぁ…頻繁にやらかした。

そのうちの一つが
俺たちの実父の再婚相手に
挨拶に行った事だ。

普通なら、前妻と後妻で
一騒ぎになっても
おかしくない所だったが、
次の奧さんが、実に
よく出来た人で、
あのモンスターを含む俺たちを
言葉通り、大歓迎してくれた。

その後、今に至るまで
良好な関係性を築いていて
こんな晴れの日にすら
家族として同席させてくれる。

妹が産まれた時は、
俺たち兄弟も母親も、
もう、大感激だった。

余談だが、
妹の“ANGEL”の発音が
異常に上手いのは、恐らく
幼少時代、うちの母親から
“エンジェル”と呼ばれ続けた
せいだと思う。