Side 香澄

一臣君に好きな人がいるなんて知らないあたしは一臣君と武君の親友である翔君と言う人の彼女さんと自己紹介しあっていた。

       カノン
「よろしくね?花音ちゃん」

「よろしくお願いします」


ペこりと頭を下げた花音ちゃんは一臣君達と同じクラスらしい。


(…羨ましいなぁ)


一臣君と同じ教室で授業だなんて。

授業受けてる一臣君とかもきっと格好イイんだろうなぁ。

聞いたら一臣君の事、教えてくれるかなぁ?

そんな事を考えていると、


「じゃあ遊園地の中入ろう!」


あたし達からちょっと離れて男の子同士で話していた武君が笑顔を浮かべて、こいこいと手招きをした。