私は慌てて立ち上がってクローゼットに向かい、バッグからプレゼントを持ってきた。 「何がいいかわからなくて、気に入ってもらえるかわからないけど……」 ドキドキしながらプレゼントを渡した。 「開けていい?」 聞かれてうなずくと、すぐに奈良坂君は包装を解いた。 「お、いい色。 サンキュ」 私がプレゼントしたのはマルチカラーのマフラー。 手編みじゃなくて市販のものだけど。 さっそく巻いて見せてくれた奈良坂君に、そのマフラーは思ったとおりよく似合った。