私がメモをしまうと、綾音は心配そうに私を見て言った。 「栞、私も一緒に行こうか?」 しかし、金曜日は綾音が彼氏と寄り道して帰るのを私は知っていた。 綾音に先輩と付き合っていると聞いてから、注意して見るようにしていたら、そのことはすぐにわかった。 「ううん、一人で大丈夫」 私は笑顔で答えた。 「そう?」 「うん!」 明るくそう答えた私に安心したのか、綾音は微笑んで頷いてくれた。