また、私立の高校と言う事もあり、素行に問題のある生徒が多かったようだが、リュウはそんなメンバーの中には属していなかった様だ。だが、一時その生徒たちと問題が起きたらしい。

学校内でのケンカが起こったのだ。相手側がリュウにケンカを売り、リンチに発展した様だ。

だが、リュウは自分からは決して手を出さず、黙って攻撃を受けていたところ、先生達に助けられ、その生徒達は全員、無期停学になったのだという。

そして、停学を終え、学校に帰ってきた頃には、その生徒達は何故か、リュウには関わらないような学校生活を送り、3か月も経つと、全員学校を辞めて行ったのだという。

ジンの側近の一人であるシンジ。

私立の進学校に、入試の点数のみで受かった秀才。内申の評定は低いかったが、満点に近い点数を叩きだした事により、入学が許可された特例児だった。

高校に入学後も、文武両道の模範生の様な生活を送り、先生たちからの信頼が厚い生徒だったが、二年の途中に数名の生徒と同時に、自主退学をする。

他の数名の生徒の何人かは、今回の麻薬密売に関わっており、警察に逮捕されている。

他にも目ぼしいメンバーも同様に、行方をくらましており、警察により現在調査が開始されているが、発見には至らず…。

ミツハルは、そんな書類を目に通しながら、時計に目を移した。

時刻は、10時を回ったところで、すでに会社内には警備員以外、数名の人間しかいない状態だった。

最近のミツハルは、寝不足が原因で、少し低血圧気味だった。なので、いつも飲んでいるコーヒーよりも砂糖を多く入れ、血糖値をむりくり上げながら、自分の出来る仕事をこなしている。