怒っていた、彼は。 奥歯を噛み締めるような感じで、先ほどまで冷静だった人が。 ――私が狙われているとなると感情をむき出しにしていた。 「くそがっ。若い男というだけでも殺したいというのに……。揃いも揃って、どいつもこいつも下世話なことをほざきやがる」 彼の感情の地雷が、奴らによって踏まれる。 このうえない怒りを彼から知った。 奴らにとっては怖い存在かもしれないが、そこまでして、私のために怒っているのかと。彼の優しさとか愛情をよく感じられて――