あの日からエレスは私の所に来なくなった。

聞きたいことが沢山あるのに…

母を何故殺したのか?

何故いつも悲しい顔をしているのか?


そして私に近づいたのは母の娘だったから?


そんな疑問を持ってから、2週間たったある日。


私は、月に向かって歌を歌っていた。


エレスがまた来てくれる事を信じて…



するとバサバサと音がした。


「なんでまたここで歌を歌ってるんだよ…」

エレスは今にも泣きそう顔をして私の所にやって来た。


「それより、エレスなんで2週間も会いに来てくれなかったの?」


そう聞くとエレスは驚いた顔をしていた。


「お前…俺が怖くないのか?お前の母親を殺したんだぞ…」


顔を歪め苦しそうに言ってくるエレスを見て私は確信した。


「好きで殺した訳じゃないんでしょ?エレス…あなたこんなにも苦しんでいるのに…」


そして私は彼の頬を触った。