俺は、サラと話をした後月のドアに向かった。


月のドアを潜るとそこには、暗い世界が広がっている。


お互いの血を吸っているヴァンパイアを見ると俺は吐き気がしていた。


城に着くと執事のテッドが門の前にいた。

「お帰りなさいませ。エレス坊ちゃま。今日はお帰りが遅かったですね。」


テッドは俺に頭を下げながら言った。


「ちょっとな…。それよりテッド。父上が居ないときは敬語を遣うなと言っただろ?俺ら幼なじみなんだからさ。」


「アハハ。ごめんごめん。つい癖でさ。」


頭をかきながらテッドは笑った。


テッドは、人間とヴァンパイアのハーフなため、目と髪は黒く優しげな顔をしている。


ヴァンパイアの法律では、『ヴァンパイアと人間のハーフは国に使えるべし』と書いてある。

そのため、テッドは小さいときから俺の城に住んで使えているのだ。


「それによりエレス。王様からの伝言で『帰ってきたら俺の所に来い!』だってさ」


「マジかよ…。わかった。行ってくる。」


俺はそう言って城の中へと入って行った。