「なっ何だよ?」

「笑った顔始めてみた…。エレス笑った顔の方が良いよ。可愛いし。」

私がニコッと笑って言うと、エレスはタコみたいに真っ赤になってしまった。


「かっ可愛いだと!?俺は男だ!」


一生懸命に否定するエレスが可愛くて私はまた笑ってしまった。


エレスは少しいじけた顔をしていたが、やがてポケットから何か取り出した。


「サラ。これずっと持ってたんだ。」


エレスの手の上にあった物は、私が9年前にあげた真珠だった。


「ずっと持っていてくれたの?」


「綺麗だったからさ。」


エレスはじっと真珠を見つめていた。


「なんか凄いよね~。9年前に出会ってまたこうして会うことが出来たんだものね。」


「そうだな。おっと。月が沈んできたな…俺は帰るよ。またなサラ。」


そう言うとエレスは月に向かって飛んで行ってしまった。