「サラ。何処へ行く?」


城を出る直前で父に見つかり呼び止められた。


「海を見回って来るわ。私もこの海の姫ですもの。」


最もらしい理由をつけると父は、感心した顔をした。


「そうかそうか。サラも大人になったな。行ってきなさい。ただし地上には上がっては、いけないよ。」


「わかった。行ってくるね。」

父の最後の言葉は聞かなかった事にして私は城から出た。