「今の麻央ってどんな?」
「んー、誰よりも仕事ができるし、すごく優しいし……憧れの存在かな」
伶耶と日向の会話は、私の頭の中をグルグルと掻き回してゆく。
過去に縛られ、現在を疑う。
その態度を言葉を……、
信じたらいけない。
「嘘、ばっかり」
呟いた言葉は一瞬にして、辺りの空気を緊張感溢れるものに変化させる。
会話は途切れ一点に集まる視線。
コントロールできない感情が、さらに言葉を吐かせる。
「そんな思ってもないこと言わないでよ」
「…………カ……」
ガタンッ――。
椅子から立ち上がり唇を噛み締めた日向は、上着とバッグを持って店を飛び出した。

