なのに……。


「日向もよく仲良くできるね?」


突然締め付けられた胸が悲鳴を上げる。


「私は」


やめて。

聞きたくない。


私はこれ見よがしに足音を立てて近づく。

それに気付いた日向と目が合って、ゆっくりと席に戻るとコートを手に取った。


「合コン来週の金曜の夜なら時間の都合つくって、みんなも予定空けてて。詳細が決まったらまた連絡するから」

「麻央、どこ行くの?」


私の顔を見て固まって言葉もでない小百合と明希を置いて、日向が立ち上がり近づいてくる。


「ん? 明日も早いし、今日は疲れたから帰るね、これ私の分。小百合、明希お疲れ様」