白と青の境界線


エプロンを外し、制服を整える。

このまま何もなく無事にフライトが終わればいいのに。

再び気を取り直してギャレーを後にする。


短い飛行時間でもお客様からの様々な要望がある。

すべてのお客様と触れ合えるのはドリンクサービスの時間だけだけど、個別に呼ばれてお客様と接する時間。


時には小さな子どもから毛布を頼まれて持っていくと、隣で寝ているお母さんにかけてあげるという光景に微笑ましくなったり。

時には年配の女性に呼び止められて一枚の写真を見せられ、息子とお見合いどうかしらなんて言われて苦笑したり。


そんな人との触れ合いが、何より楽しい時間。

だけど今日は違う。