降り続ける雨はいつからなのだろう。 止まない雨にいつまでも足踏みして、前に進むことができなくて唇を噛み締める。 「じゃあ鬼は麻央ちゃんね、百数えて」 それは幼い頃の話。 きっとあれがきっかけ。 否応なしに決められた鬼は、今も追い続けている。 「いーち、にー、さーん……」 影も形も見えなくなった友達を。 誰もいなくなったグラウンドから、見上げた空に広がる灰色の雲。 ポツリ、ポツリと静かに雨が降り始めた。