【完】不良な君の甘い蜜

「近いんですが。」



「あん?文句言ってんなよ。っていうか、この体勢じゃなきゃ俺、勉強教えんけんね。」



な…なんという我が儘でしょう?



ミツが喋る度に、生暖かい息が首筋と耳元にかかる距離。



ヤバイ…異様にドキドキしてきてしまった。コイツ相手に。



「さーあ、八重は何が一番苦手なんかなあ?」



「あっ…す、数学、ですが。」



変な敬語を使う私に小さくクスリと笑うミツの声が耳元に届く。



「リョーカイ。じゃあ、テストに出た因数分解から説明するか。」



後ろからミツの体温と心音を感じながら、デンジャラスな勉強会は幕を開けた。