【完】不良な君の甘い蜜

階段を勢い良く上がると、思いの外ミツが遅く歩いていて広い背中にぶつかる。



「痛っ!」



「なーにしとんの?俺の部屋、ここやから。」



ミツは部屋に入った瞬間、バッグをぽい、と投げ入れる。



和室のその部屋は、木製の机と椅子、クローゼットしかなく、片付いてる、というより何もない。



散らかっているところといえば机の上にブリーチやら脱色剤やら染色するための道具を散乱させているくらいだ。


「へえ…もっと汚い臭い部屋だと思ってた。」



「あん?俺、意外と綺麗好きなんだぜ?汚い部屋は女子に評判悪いけんね。」



……理由が不純だよ、ミツ。