そりゃそうだよね。



だって、昔無理だって思った人間なんだもんね。



ぽろぽろと流れる涙は冬の乾燥しきった空気であっという間に乾く。



しんしん邸から飛び出して、始めのうちは追って来る感じがあったけれど、私は信号を上手く使って逃げる。



現実からは逃げられないのにね。



好きなのに、好きなのに…!



「好きだよぉミツ…。」



夜空に響く私の声は、情けないくらい耳につく。



好きだよ………ミツ。