【完】不良な君の甘い蜜



そして、二時間後。



しんしんの家に帰ると、玄関口には二人分の靴がある。



一つは真新しい女物のローファーで、一つは汚いスニーカー。



「八重?おかえりー……おお!」



ドアの開く音に気付き出迎えに来たしんしんは、私の顔…正確には髪の毛を見て驚きの顔をする。



そりゃそうだ。さっきまでロングの巻き髪だった私は、肩までのふんわりボブに変わっているのだから。



「似合っとるやん八重。」



しんしんの100点満点の明るい笑顔が私を紫外線より強い何かで刺激する。うん、眩しい。



「もう、チョココロネなんて言わせないんだから!」



そんなしんしんに反撃するように私は叫んだ。