【完】不良な君の甘い蜜

カルデラまで登る生徒に混じる二人は、後ろ姿からでも分かる美男美女カップルだ。



「ねーミツ。」



「なんやー?」



二人の背中を見送りながらミツに問い掛けると、ミツも二人を見たまま答える。



「あのさ、しんしんってまーやんのこと、どういうつもりなんだろうね。」



私は思ったまま尋ねる。



だって普通、あんなの彼女にしかしなくない?



あんな風にされたら私ですら勘違いしちゃいそうだし。



「ふん…そんかこと、直ぐに分かるこったい。」



ミツは全てお見通しと言わんばかりに不敵に笑った。