気分よく自転車を漕ぐ。

今年はあまり良い年ではなかったけど…

いや、あまり、じゃない。

パパが死んじゃってどん底だった。

でも…

周りには色んな縁で繋がっている人達がいて、あたしは支えられている。



「オハヨーございまーす」

班に行くと

「おはよう!!」

井上さんのとびきりキラキラした笑顔が飛び込んできて、あたしも自然と微笑む。

「環から聞いたよ!
来年、スポンサーに付くんだってね?良かったよね〜」

三木さんが言うとにわかに井上さんのジェラシーたっぷりな目がこちらに向けられた。

「来年、一度は応援に行くよ…ぽっくんもな?」

三木さんの半ば強制発言に『ガーン』という顔をした井上さん。

「環が言うにはぽっくんの百倍は上手いライディングだって!
いい見本だよ!!一度は見とけって!!」

「キィー!!」

井上さんはとうとう奇声を発した。