色々やり方を教えて貰って作業に入る。

「へえ〜、早いね」

井上さんはあたしの作業を見て褒めてくれた。

こういうバイトは初めてだからどうなるかと思ったけど、案外楽しくてあっという間に時間が過ぎた。



「どう?」

スーツを着た課長が作業している三木さんに声を掛ける。

「今日は残業はいらないです」

「さすが、早いねえ」



ふと、周りを見回すと上手く助け合いをしていて、明らかに効率良く動いているのがわかる。

更に帰り際、他の班の短期バイトの人達はまだ残業していた。



『適材適所』

ふと、パパが言っていた言葉を思い出した。