「律?」

のそりと顔を上げると維世がこちらを覗き込んでいた。

「あれ、維世何してんの?」

たしか今は授業中なはず…

「何言ってるんだ、もぉ昼休みだぞ」

呆れたように言うが顔は「何かあった?」と心配そうにこちらを向いている。

「何でもないよ、昨日の夜ゲームして夜更かししただけだから」

「ならいいんだが」

そう言って「屋上先に行っててくれ」と言いながら教室を出て行ってしまった。


ふと、視線を感じて立ち上がって視線を巡らすと百瀬さんと目が合う。
ニコリと笑って返せば彼女は慌てて下を向いてしまった。