しんとした教室から、質問がかえってくる。



「二人を見なかった?」



「二人って、あの子と永沢くん?」



俺は、小刻みにすばやくうなずいた。



「なに、いなくなったの?」



他のクラスメートも聞きあってくれているが、知らない様子だった。



俺は、さっとその場を後にした。



美奈子、どこなんだよっ。



無意識に、最後に一緒に入ろうとした進路指導室に行く。



いない。



ハッとようやく。



思い出したように、俺は携帯を手にした。



スカートのポケットに入れてたんだ。



俺、焦ってんな。



落ち着け、



美奈子に電話をかけなると、すぐに通話中になった。




「美奈子、今どこにいる?!」





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