荒々しい足音と共に、放課後の教室に荒々しく机が倒れていった。

正しくは足で倒された。

いつものやんちゃな雰囲気はこの机を倒した男には無く、まるで別人のようなその男の視線が教室の隅で話している女子を睨む。



短めのスカートの女子はその視線に対抗して荒々しく一歩前に乗り出した。


「お前邪魔。もういい帰れ」



その二人の間に入っていった彼は、

我がクラスの委員長、桧山良太郎


その声は、机を足で無下に倒した男に向けられて、酷く冷たい声。



「………」


男も頗る機嫌が悪いのか委員長と女子をギロリと睨み付けるとロッカーの上に置いてあった鞄を持って、周りにいた連れと荒々しく教室を出ていった。

それは一瞬の出来事で、やっと状況の判断が出来た女子達は負け犬の遠声と見えぬ男に野次をとばす。