「てかさぁ、かんのさん自分の路線わかってる?

デビュー作の初々しい初恋みたいなノリでしょ?

なのに何で青春モノになってんの?

勝手にこうゆー事されるとさぁ、上に色々言われんだよね、俺が!」


「…でも山崎さん、こないだあたしが初恋をテーマに書いたやつ提出したら、

"俺少女漫画みたいなの好きじゃないんだよね"って言って、

読んですらくれませんでしたよね」


「あ?そうだっけ?
まーとにかくこれじゃOK出せないから。また新しい案出来たらファックスして」


そう言うと、山崎さんはガチャリと乱暴に電話を切った。