Romance Cutter ―初恋の傷請け負い人― 第六話・最終話

「用事もないのに、無意味に夜遅く、女の子の部屋にいてはだめよ、お義兄ちゃん。」
「無意味って、そっちが一方的に…」



「…わ、分かったよ、お、おやすみ。」
その日の夜も相変わらず、もやもやした気分のまま、ケイは床につく事になった。ベッドの上でケイは天井を見つめたまま考える。
「ほのかが望んでいる事って一体…」





「…ほのかは今家にはいません。…えっ、ほのかの携帯の番号教えてもらえませんかって?そんな事出来る訳ないでしょう!」
ガチャン!と勢いよく電話の受話器を置くと、ケイは急いで離れに飛んでいき、ほのかの部屋のドアをノックした。
この日は丁度、ケイが初めてほのかの部屋に入ることが出来てから一週間目の事であった。
「ほのか!今日もまた知らない女の子から電話がかかってきたぞ!皆口をそろえて君のことを『ほのか様』って呼んで…一体君は何をしているんだ!」


「おい、ほのか!」
ケイはどなった。