「…そうして私は、無意識の内に、その取り上げたカッターで、自分の左手首を切りつけていた。なぜか不思議と、痛くもなく血も余り出なかった。
でもそこで、不思議な事が起こったわ。」
「不思議な事?」
「先程まで、まるでこの世の終わりの様な表情をしていたのに、私が、とっさにとったその行為を見たその子は、急に大人しくなったわ。
そして、どこを見ているのか分からない様なうつろな目をして、突然忙しそうに、地面に落ちている小石を何かぶつぶつ言いながら集め出した。とても幸せそうな表情をしながら。
…そこで気付いたの、私。ああ、これは一種の催眠術なんだって。」
ああ、成程と、ほのかのその言葉をケイは、自然に受け入れた。
確かに、ほのかは初めて出会った時から、何か不思議な感じのする子であったとケイは感じていた。彼女のとる行動の一つ一つには、人を妙に納得させる何か大きな力が働いている、そんな感じがしていた。
でもそこで、不思議な事が起こったわ。」
「不思議な事?」
「先程まで、まるでこの世の終わりの様な表情をしていたのに、私が、とっさにとったその行為を見たその子は、急に大人しくなったわ。
そして、どこを見ているのか分からない様なうつろな目をして、突然忙しそうに、地面に落ちている小石を何かぶつぶつ言いながら集め出した。とても幸せそうな表情をしながら。
…そこで気付いたの、私。ああ、これは一種の催眠術なんだって。」
ああ、成程と、ほのかのその言葉をケイは、自然に受け入れた。
確かに、ほのかは初めて出会った時から、何か不思議な感じのする子であったとケイは感じていた。彼女のとる行動の一つ一つには、人を妙に納得させる何か大きな力が働いている、そんな感じがしていた。


