街はすっかり冬の帳に支配されている。
吐き出す吐息は白くなるばかりで、ぶっちゃけ寒くてやってられない。
「おう、遅ぇぞ!」
指定された居酒屋へと、身を縮めてやってくれば、彼はそんなあたしに気付き、声を上げた。
「百合、さっさと座れっつの!」
「うっさいよ、ジュンのくせに。」
「俺のくせにとか関係ねぇだろ。」
言い合いながらあたしは、ジュンの向かいに腰を降ろした。
この時期は互いに忙しくて、だから会うのなんて本当に久しぶりだったけど。
「んじゃあ、まずは恒例のアレね!」
と、言ったジュンと、じゃんけんをした。
あたし達のルールでは、負けた方が奢るということになっているんだけど。
「うそっ、またアンタの勝ち?!」
「百合、じゃんけん弱すぎ!」
「マジ、ありえない!」
そう言いながらも、負けたあたしは口をすぼめた。
ジュンはよっしゃー、と言いながらケラケラと笑い、心底嬉しそうな顔でビールふたつを注文する。
「ちょっとちょっと、ジュンちゃん人気ホストなんだから、たまには奢りなさいよ。」
「俺は所詮、ナンバーツーだし。
だから人気のホテヘル嬢さんには負けますけどね。」
コイツめ、望んでその位置にいるくせに。
ジュンが真面目になって、本気で仕事をすれば、流星を追い抜くのだって本当は簡単なのに。
諦めるように肩をすくめるあたしを笑い、彼は「乾杯!」とグラスを当てた。
吐き出す吐息は白くなるばかりで、ぶっちゃけ寒くてやってられない。
「おう、遅ぇぞ!」
指定された居酒屋へと、身を縮めてやってくれば、彼はそんなあたしに気付き、声を上げた。
「百合、さっさと座れっつの!」
「うっさいよ、ジュンのくせに。」
「俺のくせにとか関係ねぇだろ。」
言い合いながらあたしは、ジュンの向かいに腰を降ろした。
この時期は互いに忙しくて、だから会うのなんて本当に久しぶりだったけど。
「んじゃあ、まずは恒例のアレね!」
と、言ったジュンと、じゃんけんをした。
あたし達のルールでは、負けた方が奢るということになっているんだけど。
「うそっ、またアンタの勝ち?!」
「百合、じゃんけん弱すぎ!」
「マジ、ありえない!」
そう言いながらも、負けたあたしは口をすぼめた。
ジュンはよっしゃー、と言いながらケラケラと笑い、心底嬉しそうな顔でビールふたつを注文する。
「ちょっとちょっと、ジュンちゃん人気ホストなんだから、たまには奢りなさいよ。」
「俺は所詮、ナンバーツーだし。
だから人気のホテヘル嬢さんには負けますけどね。」
コイツめ、望んでその位置にいるくせに。
ジュンが真面目になって、本気で仕事をすれば、流星を追い抜くのだって本当は簡単なのに。
諦めるように肩をすくめるあたしを笑い、彼は「乾杯!」とグラスを当てた。