暁(あかつき)ばかり 憂(う)きものはなし 壬生忠岑(30番) 夜明け前の 月がまだ出ているのに 帰れと言われた 月の一人ぼっちさが さびしい 【やすらはで 寝なましものを さ夜ふけて 傾(かたぶ)くまでの 月を見しかな 赤染衛門(59番)】 傾いて沈んでいく月なんか 一人で起きて 見たくはなかったよ