私だって自分が何をしたいのか、何をしようとしてるのか、分からない。


ただ、このまま何もしないのはいけないと思った。


銀ちゃんは千佳さんに会って話すべきだと。


自分にこんな行動力があるなんて驚いてる。


銀ちゃんをひっぱたいちゃったし、あぁ、今さら落ち込んで、どうするのよ。


銀ちゃんは繋いだ手を離そうとしないし。


銀ちゃんを嫌いになった訳じゃない。


でも、銀ちゃんの過去を簡単に許しちゃいけないと思う。

泣かせた女の人たちに、謝罪しなければ前に進めない。


銀ちゃんの過去を知った以上、私だけが笑って幸せにはなれないと、強く思ったしまったから。


銀ちゃんだけに苦しい思いはさせないつもり。


私って、相当なバカ。


極道で女タラシの銀ちゃんが好きだなんて、世の中にはもっといい男いると言うのに。


銀ちゃんは落ち込んでうなだれていた。


「バカな銀ちゃんが好きな私も相当バカだ。」


「ありがとう。」


惚れた弱み。


仕方ないと思う。


覚悟を決めた。