銀ちゃんは自分のことを一切話さなかったから、聞く事は止めて、銀ちゃんに会える事だけを楽しみにした。


銀ちゃんの少しガラガラとした低い声が父親と似ていたし。


銀ちゃんといると、忘れそうになる父親のことを思い出す事が出来、優しい父親の顔を忘れたくなかったのだ。



年長さんになった私に銀ちゃんが言った。



「真子は俺が好きか?」



「うん、大好き。」



「そうかこんな俺を大好きだなんて、嬉しいこと言ってくれるんだな。俺は真子をお嫁さんにしたいと思ってる。」



お嫁さん?



真子はまだ5才なのに銀ちゃんのお嫁さんになれるの。



銀ちゃんとずっと一緒にいられるなら、銀ちゃんと結婚したい。


ひとりぼっちはもう嫌だ。