俺の腕の中で気持ち良さそうに眠る、真子。



12年間思い続けた、愛しい女。


5才の女の子に恋した俺は犯罪者だ。


真子の寝顔はあの頃のまま。


12年の歳月が真子を美しい女に変え、着物を着た真子はもう少女でなく女だ。


襲名披露の日に、真子に振り袖を着て貰う事に決め、二枚を用意した振り袖を、真子の母親の麻美さんに見てもらう事に。


何故か一緒に鉄二もいるけど。



「何で鉄二がいんの。」



「固い事言わないで下さいよ。真子は俺の子だし、麻美とこうして、親らしい事してみたかったんです。」



「鉄二、真子は綺麗だろ。」



「はい、でも麻美には負けますね。」


鉄二に一発おみまいしてやった。


「若、殴らなくても、」


「煩い黙れ!」


俺に歯向かう奴は許さん。


俺にとって真子が一番。



真子は世界で一番の俺の女。


誰にも文句は言わせない。


たとえ、真子の父親の鉄二でも。