病室へいくと、ベットに座っている純の頬に涙の後があった。


純が泣き出し、若が泣くなと純を抱き締めた所を、真子さんが見て誤解したのだろう。


優しい若は泣いてる純をほって置けなかったはず。


若の気持ちも分からなくはないが、若は真子さんを何回泣かせたら気が済む。


俺なら好きな女を泣かせたりしない。


俺は好きな女しかいらないし、他の女に優しくはしないと言い切れる。


俺は真子さんを探しに行きたい気持ちを、必死に我慢した。


若がイライラしているのが分かる。


若に呼び出された俺は、思いもしないことを告げられた。

純が俺を好き、それは兄としてでなく一人の男として俺を愛してると、俺はあまりの驚きで声も出ない。


「純の気持ちに答えてやれねぇのか。おまえには好きな女がいるからか。」


俺は頷いた。


好きな女が真子さんだとは、死んでも言えないけど。


この気持ちが揺るぐ事はない。


純は俺にとって、大切な妹。


たった、一人の家族。