いきなり逃げるのも失礼かも。


勇気を出して聞いてみた。


嘘であってほしい。


「銀ちゃんのお仕事ってヤクザなの?」


「あぁ、前に話したろ。」


前っていつ。


「あの公園で、真子が銀ちゃんのお父さんのお仕事何って聞いた時、俺の親父はヤクザの組長だって話したよな。真子は組長さんなんだぁって、言ったじゃないか。」


それはね。


あの時まだ5才だから、幼稚園の園長さんぐらいに思ってたと思う。


5才の子にヤクザが分かるわけない。


「あの頃は小さかったから、ヤクザとか分からなかったの。」


今は分かるから無理。


住む世界が違い過ぎる。


「真子は俺が嫌いなのか。」


銀ちゃんの事は今でも好きだと思う。


だけどね、ヤクザは無理です。


結婚してもうまくいくはずがない。


ごめんね、銀ちゃん。


再会出来た事は嬉しいけど、結婚は出来ません。


断ってもいいですか。