これが最後の忠告だ。


よく聞けよ。


「おまえはバカだろ。朝田銀平はやめとけ。俺は真子だけを愛してる。」


真子を抱き締めようとすると、真子は首を左右に振り続けた。


どうして、なんだ。


「仁の気持ち嬉しいけど、私はどんな銀ちゃんでも好きなの。」


「あいつは極道なんだぞ、極道といて幸せになれるものか。」


真子が俺を睨み付けた。


そんな顔をされても怖くない。


「仁は何も知らないけど、私の父親も極道なの。母は20才で私を生み、父親は17才で朝田組に入った男。私は母と同じを道選んだ。」


泣くのを必死に我慢してる真子。


苦しい癖に、何で笑う。


「私は朝田銀平と言う男を愛してる。愛した男がたまたま極道だっただけ。」


はっきりと言い切った真子。



おまえには負けたよ。


真子の父親がまさか極道だったなんて、思いもしなかった。


俺は真子の事は何を知らなかったんだと、思い知る。